猫の手も借りる介護生活

猫のヘルパーさん




本日母の要介護認定結果通知書が届きました。

要介護1から2になっていました。

 

父の介護とともに母の介護もしていますが、じわじわと母にも手がかかるようになってきているのも実感していましたので要介護2の判定は納得です。

 

昨日夜7時くらいだったでしょうか。

門を閉めにいき戻るついでに、暑さにかまけて伸び放題になっていた植木の枝を10分程度ですが切っていたところ、汗が滝のように流れてきたので家に入ろうとしたところ玄関に鍵がかかっていました。

インターフォンを押せども何の反応もなし、母の部屋にはあかりはついていましたが母は一向に出てきません。

しかたなくリビングの掃き出し窓をおもいっきり割れるのではというくらいのいきおいで叩いてもやはり母は気がつかません。

ここ数ヶ月で母の聴力はかなりおちています。

もう一度玄関にもどってインターフォンを押し、ドアが壊れる勢いで取手をにぎりガタガタと音を鳴らしました。

 

すると玄関の横のすりガラスに黒い猫の影。

 

我が家には2匹の猫がいます。

1匹はオスの長毛のタキシード猫

もう1匹はメスの白猫

 

長毛猫のほうが音に気がついて玄関まで来てくれたようです。

私の様子を伺ったあと猫影は部屋の中に消えていったのですが、そのあと何と母を連れてもどってきました。

やっと母は鍵をかけてしまったことに気がつき玄関ドアをあけてくれましたが、下手をすると一晩中気が付かない可能性もあったかもしれません。

 

大袈裟のようにも思われるかもしれませんが、認知もあり耳も遠くなってきている母のことを考えると何時間もの締め出しもある可能性は高いのです。

たとえスマホを持っていても、電話の音に気が付かないことも今まで何度もあったので。

今後はほんの少しでも玄関から外に母に一言声をかけなくてはと肝に命じました。

 

それにしても猫ちゃんに助けられるとは。

いやいや実は我が家は猫に結構介護を助けてもらっています。

特に長毛猫。

この子は子猫の頃からちょっと不思議な子で、医者が癌を見つける前から癌の場所を教えてくれていました。

いずれ詳細は書こうとは思いますが、多分癌独自の匂いを感じていたのはないかと今は思います。

癌が転移した場所も医者よりも先にわかっていたようだし。

 

それ以外にも、いつもは鳴かない猫が大きな声で泣き叫び私を呼びにきたことがあります。足音もわざと聞こえるようにドタドタと音とたて走ってきて私の足もとで大きな声で鳴きます。

普段は大柄な猫の割にはか細い声の上に滅多に鳴くこともない子なのに、その時は大きな声で鳴いてまたバタバタと音をたててお風呂場のほうに走っていくのでついていったところ、母が鼻の下あたりまでお湯に浸かって寝ていました。

あと少し気が付かなかったら母は溺れていたかもしれません。

 

父が脳梗塞を起こした日も、私自身も脳梗塞を経験しているので父も脳梗塞なのではと思い訪問看護に急遽きてもらったところ、その時には私が感じた脳梗塞の症状はおさまっていたので緊急性はないとのことで先生をよびほどでもないとのことで安心していたのですが、その後いつもは私に抱きつくことはめったにない長毛猫が私の首にぶら下がる勢いで抱きつき鳴き続けます。

しかたがないことだけど、もしその時猫のおしらせを信用して緊急で病院へ行っていたらひょっとしたら父は寝たきりにならなかったかもしれません。

 

それ以外にも何度も何度も長毛猫ちゃんは両親そして私自身の体調や緊急事態を教えてくれています。

 

我が家は2匹の猫を飼うまではずっと犬がいて、実は猫を飼うのはこの2匹が初めてです。

猫は気ままで自由だと思っていましたが、びっくりするくらい言葉を理解し、そして家族を見守ってくれることに驚きました。

ただどの猫にも我が家の長毛猫のような能力があるわけではないということは、長毛猫の後で飼うことになった白猫と比較してをみるとわかりましたが、特殊能力がなくても白猫の愛らしい姿は母の認知の症状の進行具合をゆっくりにしてくれていると感じています。

猫を飼う前の母は、1日布団にくるまって寝ているか、テレビをつけていても見ているのか見ていないのかわからないくらいの無表情で、自分から話すこともしませんでした。

けれど今は毎日猫の姿を見て笑っています。

そして毎日猫ちゃんと会話をしています。

猫のお世話は自分がしなくてはならないと思っているので、猫がいることで生きる気力があるようです。

以前の廃人のような姿を知っているだけに随分よくなってるとは思いましたが、体のほうは少しづつ老いてきています。

以前は猫が床に転がっていても猫を避けて歩くか跨ぐこともできていましたが、今は壁や椅子の背に手を添えても猫を跨いで歩くことはできず、猫にどいてくれるようにお願いしています。

お願いしてもなかなか猫は動いてくれないところを見ると、足をあげて跨ぐ練習をしなさいトレーニングだよと言っているようにも思います。

まだ春くらいは母も手すりをつかわなくても歩けていたんだけど、ここ数年のコロナの影響と、猛暑が二ヶ月ほど続いていて、なかなか外を散歩することもできなくなっているので足の筋力が衰えてきているのでしょう。

 

猫ちゃんが跨いで歩けと言っているので、頑張って母には猫を跨いで歩く練習をしてもらいたいものです。